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育休中に向上する仕事力とは?

前回の記事では、育休をとった夫と赤ちゃんとの三人の生活のことを書きましたが、あれからすでに半年が経とうとしています。

4月には子どもが保育園に入園し、私は本格的に仕事を再開、生活パターンもずいぶん変わりました(でも育休中にできた夫婦の家事の分担はわりと有効に機能していて、今も夫が朝ごはんを作ってくれるのが本当に助かってます!)。

先日子どもが高熱を出し、初めて何日か保育園を休ませました。その時は幸いにも仕事の予定をなんとかやり繰りでき、平日に子どもとべったり一緒に過ごすことに。それで久々に、保育園に預け始める前の毎日を思い出しました。

当時はバタバタしていてブログに書く暇もなかったのですが、その頃私がずーっと赤ちゃんと一緒の日々を過ごしながらよく思っていたことは、「育児を経験すると仕事力がアップするって本当かも!」ということでした。

アベノミクスで女性の活躍推進が掲げられていることもあって、最近「ワーキングマザーは優秀だ」「出産・育児を経験した女性は成長して職場に戻ってくる」といった意見を聞くことが多いような気がします。
そういう意見は、一般論としては反対しづらい感じがします。いろいろな人生経験が仕事にも好影響を与えることは大いにあり得るし、ひとつの生命を生み出し、育てるという経験は、女性をひとまわりもふたまわりも成長させるでしょうから。
でも以前の私は、上司が「彼女は成長したなぁ」と感じるほど仕事に直結する能力が上がるということが本当にあるんだろうか?という疑問も感じていました。

それが出産後、保育園入園前の日々を通じて「あぁ、こういうことか!」と感じられるようになったのでした。
保育園入園前の時期というのは会社員のお母さんだと育休期間中に相当するので、今回は私が感じた「育休中に向上する仕事力」の中身について解説したいと思います。

育休中に、こんな力が鍛えられる!?

1.状況を判断して優先順位を付ける力

私が思うに、多くのお母さんが否が応でも鍛えられ、それが仕事にも役立つ、という力は2つあり、そのひとつ目はやるべきことに優先順位を付ける力です。

赤ちゃんの世話をしていると、行動の自由がとても制限されます。
とにかく放っておくとすぐ泣きます。泣くたびに授乳したり、おむつを変えたり、抱っこであやしたり…。やっと寝たと思ったら30分もしないうちに目を覚ましてまた泣き出し、授乳したり、おむつを変えたり…、のループ。赤ちゃんから離れて何かをするというまとまった時間がなかなか取れません。
また、首が座って腰もしっかりしてくると、片手で抱っこしながら、あるいはおんぶ紐でおんぶしながら何かをするということもできるようになるのですが、まだふにゃふにゃの赤ちゃんのうちは抱っこしていると両手が空かないというのも、行動が制限される原因です。

もちろん、常に泣かないように相手をしていなければいけないというわけではなく、どうしてもやらなければいけないことがあれば、ちょっと泣かせておいて用事をすませるということもあります。

要は優先順位付けの問題なんです。

キッチンのシンクには洗っていないお皿があって、そろそろ洗濯物も取り込みたいし、なんだかトイレにも行きたくなってきた。そして赤ちゃんは泣いて何かを要求している。さあ、何から片付ける!?みたいな…。

上の子がいる場合はその子たちにも手がかかるので、多少泣いていても放っておくことが多い(だってそうせざるを得ないんだもの…)、というお母さんが多いようです。
でも初めての子だと他のことをしながら泣き声を聞いているのも辛かったりして、何をおいても最優先は赤ちゃん、ということになりがち。
私も同様で、いつも優先度の1番目は赤ちゃん。赤ちゃんが眠ったり機嫌が良くて手が離せるときに優先度2番目以降をするという感じでした。

私は以前から、タスクの優先順位付けを意識してやっている方で、その方法を「自由すぎてサボらないためのしかけ 〜私のフリーランス仕事術〜」で説明しています。
その中では「毎朝その日のタスクの順番を決める」と書いているのですが、子どもを世話しながら何かをしようと思ったら、朝イチに決めた順番どおりにタスクをこなしていくなんてできません。
赤ちゃんの機嫌の良い時間や寝ている時間は日々変化し、予測がしづらいものです。そして、ふと手が空いたときに何をすべきかは、その時間帯や手が空いている時間がどのくらい持続しそうかによって変わってくるからです。

また、以前はリストアップしたタスクが予定の時間までに終わらなくても、徹夜したり週末の時間を使ったりすれば片付けるということができたのですが、赤ちゃんがいると絶対的に時間が足りないし、母親も産後の疲れや寝不足から無理はできず、やりたいことの全てはできません。どちらかというと、本当にやらなければいけないことだけを見極めてやるという感じになります。
だから「赤ちゃんがもう少しで寝そう」「今は機嫌が良いからひとりにしても大丈夫そう」という状況を見極めつつ、「寝たら何ができるかな?」「今のうちに何しよう?」と、頭のなかでタスクリストの優先順位の入れ替えをして次に何をするか考える、ということを四六時中繰り返すことになります。
これは仕事を効率的に進める上でも、とても役立つトレーニングになっていると思います。

2.変化対応力

母親になると鍛えられる力のふたつ目は、変化に対応する力です。

仕事を効率的に進めるには、担当業務について上手くいく方法(=成功パターン)を見つけ、無駄な試行錯誤や失敗を減らしていくことが重要です。でも、成功パターンに頼りすぎてしまうと、状況が変わってそのパターンが通用しなくなった時に対応できなくなってしまいます。

赤ちゃんの世話をしていると、「この歌を歌うとすぐ寝てくれるみたい!」「抱っこで寝た時は、10分くらいそのままでいてから布団に下ろすと起きないみたい!」などなど、「成功パターン見つけた!」と思うことがしばしばあります。
ですが、この「成功パターン」は長く続かないことが多いです。

例えば我が子の場合、夕方に少し長めに眠ることが続いた時期がありました。
あるときお客さんとSkypeでミーティングをすることになって、その時間帯なら寝てるだろうということで、こちらから時間を指定させてもらったのですが、その日はなぜかすぐに起きちゃって「あれ? もう起きたの? これからミーティングなのに?」ということがありました(お客さんにはこちらの状況を理解してもらっていたので多少子どもの声が聞こえたりしても問題はなかったのですが、抱っこしながらSkypeしていると赤ちゃんがイヤホンのコードに手を伸ばしてきたりして、落ち着いて話がしづらいんですよね…)。

そういう経験を繰り返しているうちに、赤ちゃんの生活リズムや反応が予想通りでなくてもうろたえたりせず、「それならこの手はどうだろう?」と次々に試してみようという気持ちになることができるようになりました。

常に状況は変わる可能性があるもの、そういう気持ちを持てるようになることは、仕事上のリスク対応力や打たれ強さにつながるでしょう。

以上2つは、きっと多くの育休中お母さんに共通して身につく力ではないかと思います。

3.ママ目線

それと、これが役立つかどうかは仕事の内容によるでしょうが、子どもがいないときと今とでは、世界の見え方が全然違うと言っても過言ではないです。
世間のお母さんたちがお客さんになり得るサービスを手がけていたりとか、子育て世代の社員がいる会社でマネジメントや人事を担当するといった場合、ママ目線を持っていることは強みになるでしょう。
ただ、逆に一度ママ目線が身についてしまうと、それを脱ぎ捨てて子どもがいない頃の気持ちに戻るのは難しいかもしれません。組織には両方の立場の人がいて、お互いの目線を補間し合いながら仕事できるのが望ましいのではないかと思います。

その他、個人の性格にもよりますが、私自身は次のような変化がありました。

4.忍耐強さ・切り替え力

投げ出したくなるくらいキツイんだけど、やらなければならない、育児にはそういうこともあります。
例えば、夜何度も起こされて授乳や寝かしつけをすること。

私の場合、一日の終りにお風呂に入ったらそのまま布団に入って寝たいのに、なかなか寝ない赤ちゃんを抱っこしたり授乳したり、自分が寝ることができるまでには1時間も2時間もかかってしまうという状況が、最初はとてもしんどかったです。
でも、ある日ふと、お風呂からあがったときに「一日が終わった」と考えるのではなく、「さあ、これから夜勤頑張るぞ」と考えればいいんだ、と思いました。
それからはしんどい気持ちが軽減され、(眠いは眠いのですが)割りきって赤ちゃんの世話を頑張ることができるようになりました。
自分では変えられない状況を受け入れ、気持ちを切り替えて耐える、そんな力が鍛えられた気がします。

5.モラルや社会性

子どもが生まれて初めて知った親の心境として「子どもに恥ずかしくない大人でいたい」というものがあります。
今はまだ小さくて何も分からない赤ちゃんですが、じきに親のすることを観察するようになるんだな〜と思うと、だらしない行動はつつしまなきゃとか、周囲の人達と良好な関係を築いておきたい、といったことを考えるようになりました。
また、ずっと健康に過ごしてきた私は、妊婦になって初めて、体の弱い人の気持ちや不便さなどが少し分かりました。産んでからも子連れで外出などすると、バリアフリーの設備や人の親切のありがたさに気づいたりします。そんな経験を通して、以前よりも弱者への気遣いができるようになったと思います。

男性も、育児で仕事力アップの可能性

女性に限らず男性でも、育児を通してこれらの力が向上する可能性はあると思います。
ただし1や2については、ほぼ毎日24時間赤ちゃんの世話をしている状態の中で鍛えられるものなので、男性が育児経験によって仕事力の向上を狙うなら(そんなことを狙う人がいるのかどうか分かりませんがw)、ある程度の期間育休をとって、毎日赤ちゃんの世話をする機会を持つことをオススメします。

育休後は、きっとこんな力も

以上は、育休中(子どもが1歳くらいまでの間)にこんな力が鍛えられそう、という話でした。

もう少し大きくなって会話をしたりしつけをしたりする時期になると「コミュニケーション力」や「指導力」なんかもアップしそうです。
また、仕事に復帰すると鍛えられる「ワーキングマザー力」というものもあるでしょう。

これらについては、自分自身が実感できるようになったらまた報告したいな、と思います。