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オトナにできること

3月の震災直後から、縁あって『笑顔311』という被災地支援活動に参加しています。
先日その活動の一貫で、仙台からやってきた大学生たちと「研修合宿」をしました。
研修の目的は「大学生たちの活動のレベルを引き上げる」ことだったのですが、自分自身も成長させてもらえたとても良い機会でした。

『笑顔311』の活動について

『笑顔311』はUstreamなどを利用して、被災地の様子やボランティア情報を発信しています。
現在は東京から配信している『+Starters』と、仙台から配信している『IF I AM』の2つの番組があり、東京チームは社会人が多く、仙台チームは大学生が中心です。
私は、それぞれの番組の内容をブログにアップするチームのまとめ役をしたり、支援活動の取材をしてそれを番組内でしゃべったり、ということをやってきました。

仙台の学生たちとの研修合宿

仙台チームの大学生たちは、笑顔311の活動で初めてUstreamでの番組配信を経験することになりました。
最初の頃は、プロジェクトの発起人であり3月からずっと石巻でボランティアをしている大矢中子さんや、東京チームの番組ディレクターである大矢亮一さんが、つきっきりで番組づくりや配信技術を教えていました。でも最近では、大学生たちだけで週1回の番組をまわしていけるように。
また、毎週の番組を通じて被災地支援をする大学生のネットワークを広げ、『IF I AM』という番組がボランティア団体同士の連携のきっかけになるような動きも少しずつ生まれてきています。

そこで、さらに良い番組・支援活動にしていくための強化合宿が行われることになり、三連休の中日である10月9日の早朝、仙台の大学生5人が深夜バスで東京にやって来ました。
彼らに加え、講師役の大矢さん夫妻、いつも東京でブログ更新をしてくれている大学生と一緒に、丸2日間みっちりと行われた合宿。
以下がその内容ですが、かなり盛りだくさんです!

1日目
  1. 合宿の内容、スケジュールの相談
  2. 番組のコンセプト作り
  3. コンセプトに基づいた、視聴者や協力者とのコミュニケーションプラン作り
2日目
  1. 番組ブログのまとめ方講座
  2. Webサイトリニューアルの検討
  3. 『IF I AM』チラシ作り
  4. Ustream配信技術講座
  5. 『IF I AM』CM動画撮影
  6. 『IF I AM』番組配信(本番!)

研修で感じた「オトナの役割」

私はブログのまとめ方の講師やWebサイトリニューアルの発案者としての役割があったのですが、それ以外の時間も、大学生と一緒になって議論に参加したりUstream配信の仕方を習ったりしました。
そしてその中で、オトナとしてこの活動に参加することの意義をすごく感じました。

今回やってきた大学生たちは、『笑顔311』以外にも学生団体を主催していたりと、良い意味で「意識の高い」行動派。
私はそういう子たちを見ると、放っておいてもちゃんとやっていけそう、むしろオトナが色々口を出すのは余計なことなんじゃないか、なんて思ってしまいがちです。
実際2日間一緒にすごしてみて、彼らがこちらの期待以上に真剣で、高いやる気と実行力、新しいことへの吸収力を持っていることが分かりました。
でもその一方で、彼らが知らなくて私たちオトナから伝えられることもたくさんある、ということに、今回の合宿で気付いたのです。

それは例えば、「企画の立て方」や「議論の進め方」。
番組をつくるにも、まずは「どんな目的で」「誰に」「何を」伝えようとするのかをメンバー同士が目線合わせした上で、それを達成していくための方法を考える。
この手順を踏むことで良いものが作れる、ということを研修では実践しました。

例えば番組のコンセプトを考えるとき、「番組配信を通して復興の力になりたい」という思いはみんな共通しているわけですが、具体的に誰に何を伝えたいのかということを言葉にしてみると、ひとりひとりの考えが完全には重ならないことが分かります。
それをどうやってすり合わせるのかみんなで悩みながら、最終的には週替わりでMCをしている3人が、各々コンセプトの異なるコーナーを持つことにしよう、というアイデアに到達しました。
合宿2日目の夜の番組から、さっそく内容のリニューアルが実行されているのですが、とても良い方向に向かっていると思います。

こういう結果を予想して誘導したということは全くありませんが、議論の過程で私たちオトナが企画のセオリーを伝えるだけでなく、みんなの発言にしつこくつっこんでみたり、小さくまとまりそうなところをあえて広げてみたりといった刺激を与え、サポートしたことで、たどり着いた結果だと感じています。

考えてみれば、今当たり前のように頭の中にある企画の立て方、チームでのアイデアの出し方・まとめ方、それからブログで不特定多数に向けて文章を書く時のポイントといったことを、私は長年の仕事や趣味の経験を通して少しずつ体得してきたのです。
自分が大学生だったときを振り返ってみると、ほとんどできなかったし意識もしていなかったことばかり…。
『笑顔311』の大学生たちは、私の大学生時代よりはずっと経験豊富で優秀だけど、やっぱり知らないこと、気づいていないことがいっぱいある。
だから、ちょっとしたアドバイスでぐんと良くなる、という可能性があちこちに隠れているのだと思います。

それに気づいて、私は『笑顔311』、ひいては復興支援における自分の役割意識がかなり変化しました。
これまでは大学生たちと同じ目線で、私も何かできることはないか?と考えていて、どちらかというと直接被災者の方に役立てることを探していました。
それももちろん大事ですが、『笑顔311』のメンバーが最高のパフォーマンスを発揮できるように、サポートしたりアドバイスしたりすることも、自分がやるべき大事なことだ、と考えられるようになったのです。

被災地支援について考えるとき、「それぞれができることをすればいい」という言葉はよく出てきます。もう少し積極的に言い直すと「それぞれが得意なことで貢献するのがいい」、ということ。
でも言葉ではそう言っても、やっぱり被災地に行って汗をかくということをしないとなんとなく負い目を感じてしまう、という雰囲気もあったりします。
私自身、『笑顔311』での後方支援的な活動は本当に復興の役に立つのだろうか・・・、と考えることが多かったのですが、大学生たちはきっと役に立ってくれる、彼らが役に立てるように私もがんばろう、と迷いなく思えるようになりました。

「オトナの自覚」ってこういうことかぁ…、なんて、三十代半ばにして初めて実感することになった、貴重な機会でした。

おまけ

合宿中に撮影した『IF I AM』のCM動画です。



Video streaming by Ustream

Category:life

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